アメリカ留学を映画で予習! 永遠の大学映画ナンバー1 『アニマル・ハウス』
みなさんこんにちは! アメリカ留学ラボのカイトです。今回は、「アメリカ留学を映画で予習する」シリーズの第1弾として、『アニマル・ハウス』(1978年)という映画をご紹介したいと思います。
アメリカの大学への進学を考えている人にとって、「カレッジムービー」は英会話の予習にもなり、キャンパスライフを知る手がかりもなりますから、映画として楽しむのはもちろん、留学の予習教材としてもきっと役に立つはずです。というわけで、これから何回かにわたってアメリカの代表的なカレッジムービーをご紹介していきたいと思います!
不動のカレッジムービーNo.1!
アメリカの大学キャンパスを舞台とした映画は少なくありませんが、今回ご紹介する『アニマル・ハウス』は40年近くも前につくられたにもかかわらず、いまだに「大学映画ベスト10」といったランキングでは必ずといっていいほどナンバー1に選ばれています。『アニマル・ハウス』はアメリカの代表的な「カレッジムービー」ですが、ジャンルでいえばコメディで、内容はかなりハチャメチャです。
Faber Collegeという架空の大学が舞台になっていて、物語は新入生がフラタニティに加入しようとするところから始まります。このフラタニティがどういったものかわからないと、映画のおもしろさが削がれてしまうかもしれませんので、簡単に説明しておきましょう。
アメリカの男子学生たちの秘密結社?
アメリカの大学のフラタニティ(Fraternity)とは、男子学生から成る社交組織です。だいたい一つの大学に複数のフラタニティが存在していて、ギリシャ文字2つか3つがそれぞれのフラタニティの名前として付いています。フラタニティは運動部でも文化部でもありません。共通の趣味をもつ同好会といったものでもありません。ただの社交組織なのですが、メンバー間の結束はとても強く、フラタニティのメンバーになるとお互いを「兄弟(Brother)」と呼び合います。フラタニティごとに秘密のしきたりや合言葉があって、ちょっと秘密結社的なおもむきもあります。アメリカにしてはめずらしく縦関係が厳しいというのも特徴の一つです。
留学生でも「ブラザー」になれます
個々のフラタニティは独特のカラーというか、性格をもっています。たとえば硬派/軟派、パーティ好き、まじめ、保守的/リベラル、オープン/排他的、大学に従順的/反抗的、といったようなものです。フラタニティ同士はなにかとライバル関係になることが多く、この映画でもそのような設定がされています。フラタニティに入る・入らないは学生の自由です。留学生でも加入できます。ただフラタニティに入るためには、そのフラタニティから正式の招待を受けなければならず、さらに晴れて“Brother”になるためには通過儀礼的な「修業期間(Pledge Period)」を経なければなりません。これについては私も苦~い経験がありますが、口外法度ということになっていますので、内容は述べません・・・。
なおフラタニティの女子版は「ソロリティ(Sorority)」といいます。メンバーは「姉妹(Sister)」と呼び合います。
大学にもよりますが、個々のフラタニティ/ソロリティは、自分たちの“House”を所持していて、メンバーはそこで共同生活をしています。そんなHouseに欠かせないのがバーとパーティルーム。週末にはオープンのパーティを(大学の監視の目をくぐりながら)催すなどして、社交の場となっています。『アニマル・ハウス』の「ハウス」はこのHouseを指しているわけですね。
フラタニティのパーティといえば・・・
さて、映画に登場した新入生二人は、デルタ・タウ・カイというフラタニティに入ることになります。このフラタニティの性格は、ズバリ「乱痴気パーティ好き」。当然、大学からは目の敵にされています。大学は、ライバルのフラタニティを抱き込んで、このデルタ・タウ・カイを潰そうと手を尽くします。あわや万事休す、となったときにデルタ・タウ・カイは、景気づけのトーガ・パーティを開きます。
トーガ・パーティ(Toga Party)とは、フラタニティでしばしば見られるパーティの一種で、参加者はトーガという古代ギリシャ(またはローマ)の衣装を身につけます。これはフラタニティの名前にギリシャ文字が使われていることとも関係があるようですね。
映画ではその後、デルタ・タウ・カイのメンバーの成績が悪いという理由で、フラタニティは閉鎖、メンバーたちは退学処分を受けてしまいます。これでめげるデルタ・タウ・カイであるものか、ということでクライマックスに向かうのですが、未見の方のためにこの先は伏せておきましょう。
「成績が悪いと退学になる」というのはアメリカの大学の厳しい側面を忠実に描いているといえそうですね。“Grade Point Average”(成績平均値)というセリフもちゃんと出てきます。アメリカの大学に留学すると、この言葉をイヤというほど耳にします。
古きよきアメリカの大学へのノスタルジー
この映画のストーリーは、作者がダートマス大学に在学していたときの経験をベースにして書かれたそうです。ダートマスといえばアイビーリーグに名を連ねる名門中の名門ですが、アメリカの学生は勉強にも遊びにも本当にタフなところがあります。時代設定は1962年。作者にとっては、「古きよき大学」へのノスタルジーを抱かせる年代設定だったようです。アメリカはこの後、ケネディ大統領の暗殺、そしてベトナム戦争へと混乱の時代に突入します。『アニマル・ハウス』を別の視点から見ると、当時の「怒れる若者たち」の姿が描かれているようにも思えます。
ただ、さすがに1962年と現在とでは大学もかなり様変わりしています。アルコールに関しては相当厳しいルールを設けるキャンパスもいまでは増えています。映画の中で、先生宅でマリファナを吸うシーンがありますが、これも古きよき?時代の風俗として見ておくべきでしょう。
撮影はオレゴン大学で
撮影はオレゴン大学で行われたとのこと。なにしろハチャメチャなストーリーですから、ロケーション探しには難航し、どの大学にも撮影を断られたそうですが、当時のオレゴン大学の学長はこれを快諾。自宅ですら撮影場所として提供したそうです。ただ脚本は読んでいなかったという噂もあります。ところで大手スポーツメーカーのナイキ社の創設者であるビル・バウワーマン氏はオレゴン大学出身。そんな縁もあってこのほどナイキ社は、『アニマル・ハウス』のトーガ・パーティのシーンをパロディ化したCMをつくりました。出演者にはプロフットボール選手として活躍しているオレゴン大学の卒業生やマスコットキャラクターなどが出てきます。ナイキからオレゴン大学へのオマージュのようなCMですね。
今回の「アメリカ留学ラボ」は、アメリカの大学を舞台とする伝説的な映画『アニマル・ハウス』をご紹介しました。いずれまた「アメリカ留学を映画で予習する」シリーズとして、別の映画をとりあげたいと思います。お楽しみに!
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投稿日:2015年11月13日(Fri)
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